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活動ブログ

2022. 07. 17 | まちかどサイエンス

プリンの“す”

こんにちは。八戸聖ウルスラ学院高等学校1年の川口修治です。小学生の妹がカスタードプリンを作ってくれました。しかしプツプツと“す(気泡)”が入ってしまったと悔しがっていました。味はプリン。しかし舌触りは少しツブツブしています。材料をレシピ通りに用意し作った、と言っているのですが、なぜそうなったのか気になったので少し調べてみました。

今回使った材料は卵・砂糖・牛乳。
まず、卵に多く含まれるタンパク質は、熱を加えると固まるという性質を持っています。熱凝固性といいます。そしてタンパク質には色々な種類があり、その種類によって熱を加えたとき固まる温度が異なります。卵白は60℃で固まり始め、80℃以上で完全に固まり、卵黄は65℃で固まり始め、75℃以上で完全に固まります。
卵白と卵黄ではタンパク質の種類が異なります。先に書いたように固まる温度の差ができるのは、卵は数種類のタンパク質が含まれているため、そのせいで卵白・卵黄それぞれで固まる温度帯に幅ができるそうです。
プリンで使用する溶き卵(卵白と卵黄を混ぜたもの)はだいたい70℃で固まりはじめ、75℃位でしっかり固まるそうです。

そして本題のなぜ“す”が入ったのかについてです。プリンを作る過程で、まず卵をかき混ぜます。その際空気も一緒にかき混ざります。その紛れ込んだ気体を「溶存気体」といいます。どんどんかき混ぜていくと液体の表面がだんだんアワアワになります。次に甘いプリンにするために砂糖と牛乳を入れかき混ぜます(プリン液)。砂糖が加わることで卵の凝固する温度帯が上昇するそうです。最後に加熱します。ここで無事うまく固まってくれると成功なのですが、今回の“す”が入った原因は、「溶存気体」が関係しています。固まっていく途中で、プリン液に必要以上に熱をかけていくと溶け込んでいた「溶存気体」が気体に戻り気泡となってでてきます。その出てきたタイミングで気泡の周りのプリン液が固まった、このような流れのようです。
いろいろなレシピを見ましたがオーブン150度位で約30分蒸し焼きにすると、“す”の入らない、口当たりの良いプリンができるらしいです。
妹はオーブンの焼き時間30分を過ぎても取り出さず、余熱によって長めに熱をかけすぎていたと話していました。今回“す”が入った理由は“熱のかけた時間”である可能性がでてきました。
今度、自分もレシピ通りに作って検証してみようかな、と思いました。

投稿者 : 八戸聖ウルスラ学院高等学校


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