12月23日、ジュニア基礎コースの第3回講座が行われました。
第3回講座はいつもの講義会場を飛び出して、今年、東北大学青葉山新キャンパス内に整備中の「ナノテラス」の施設見学から始まりました。今回、2024年度からの運用開始前に見学させて頂き、大変貴重な機会となりました。
最初に、QST 次世代放射光施設整備開発センターの加道雅孝先生(NanoTerasu広報グループリーダー)から、ナノテラスの概要について説明がありました。
ナノテラス=正式名称「3GeV(じぇぶ)高輝度放射光施設(NanoTerasu)」は、原子や分子などのナノの世界を見ることができる巨大な顕微鏡です。既に多くのメディア等で取り上げられているこのドーナツ型の施設について、今回の施設見学で、初めてどのような仕組みでナノの世界を見ることができるのか知ったという受講生も多かったと思います。ナノスケールで分析される対象には、材料科学から生命科学に至るまで様々なものがあり、今後、あらゆる分野での研究に利用されるというお話に、受講生は興味津々の面持ちで聞き入っていました。
そしていよいよ、実験施設の見学へ。
ナノテラスの施設は、宇宙船をイメージしており、ナノテラスの施設内の表示は「NASA」と同じフォントを使用しているそうです。受講生は写真を撮影したり、メモを取ったりしながら見学しました。
ナノテラスの見学後は宮城教育大学へ移動。後半は、「放射光を生み出す電子や放射線を見てみよう」というタイトルで、宮城教育大学の福田善之先生(理科教育講座)による講義が行われました。
講義ではクルックス管を使って電子を見る実験を行いました。クルックス管の取り扱いには注意が必要ですが、大学生メンターが各グループに付いて実験を手伝いました。
さらに講義では、放射線を見る「霧箱」を用いた実験も行われました。霧箱は、ドライアイスやスポンジなど、身近な材料で作ることができます。
懐中電灯で照らしながらしばらく見ていると、細かな粒や放射線が作る小さな飛行機雲が発生しているのが観察できます。実験がうまく行くと、受講生からは「見えた!」と声が上がりました。
施設見学、講義、実験と、盛りだくさんの第3回講座でしたが、なかなか難しい内容も多かったと思います。受講生に今回の講座の感想をお聞きしました。
「ナノテラスという施設は、新聞記事などで知ってはいたけど、実際にどのようなものに利用されるのかは知らなかったので、今回お話を聞くことができて良かったです。施設も想像したよりも広くて、施設の表示にはNASAのフォントを使っているなど、とても独特な施設だなと思いました。後半の講義の内容は難しかったけれど、以前学校で、発電所について調べるという授業があって、原子力発電所についてよく調べたことがあったので、その時の知識を元に頑張って講義についていくことができました。次回は自然史標本館の見学ですが、バックヤードとか見せてもらえるのが楽しみです。」(三浦晴喜さん)
2023年内の講座は、今回が最後となりました。
今年も様々な講座が予定されていますので、お楽しみに!
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次回、ジュニア基礎コ―ス 第4回講座は、2024年1月13日(土)です。