例年であれば、2月は雪が積もっていることも少なくない仙台ですが、今年は暖かい日が続いています。そんな穏やかな気候の2月17日、ジュニア基礎コース第5回講座が行われました。
最初の講義は、「自分の将来を考えて、どんな職業でがんばるか考えてみよう!」というタイトルで、渡辺 正夫 先生(東北大学大学院生命科学研究科・教授)によるキャリア教育の講義が行われました。講義では、渡辺先生がどのような子供時代を過ごし、どんなことを考え、大学を選び、現在の研究に至ったのかお話いただきました。
小学生の時の卒業文集に「ゆめは科学者になること」と書いたという渡辺先生。そのように思うに至った経緯には、通学路で道草している時に気付いたことや、テレビアニメの影響もあったそうです。いつもと違う先生の一面に、受講生は興味津々の面持ちでお話に聴き入っていました。講義の後にはグループ討論があり、大学生・大学院生のメンターも各グループに加わって、受講生はそれぞれ自分の将来について、意見交換や思いを話し合いました。
「僕は田舎育ちで受講生の皆さんとは世代も違いますので、皆さんとは自然と接する距離感が違うとは思いますが、たとえ距離感が違うとしても、自然から学べることや感じることは同じだと思い、色々お話しました。普段からさまざまな事象を観察し、何かに気づき、そして想像することは非常に重要なことだと思います。しかし、同じ事象を見ても、何かに気づく人と気づかない人がいる。それは物に対して好奇心を持てるかどうか、面白いと思えるかどうかで、ここが分かれ道になると思います。受講生の皆さんぐらいの時から、色々なものに出会い、心に刺さるような体験をしていくことが重要になると思います。」(渡辺先生)
2つ目の講義は、「知っておきたい研究倫理のキホン」というタイトルで、西條 芳文 先生(東北大学大学院医工学研究科・教授)による研究倫理教育の講義が行われました。
西條先生は科学コンテストの審査委員もされており、講義では、研究内容に倫理的な問題はないかも評価の重要なポイントの一つであること、また最近話題になることも多い「生成AI」にも触れられ、その使用における問題点などについてもお話頂きました。
「研究活動は、他の研究者や社会から信頼を得る適切なやり方で、誠実に実施する必要があります。また、研究倫理に則った誠実な研究活動の実践により、自由な発想に基づく研究活動が制限される、ということはありません。」(西條先生)
「倫理」や「法」というと、難しい話と思われた受講生の皆さんも多かったと思いますが、講義では様々な倫理的に問題となる事例を取り上げ、それについてグループでディスカッションを行うことで、理解を深めていきました。大学生・大学院生のメンターもディスカッションに加わり、話し合った内容はグループごとに発表しました。
講義終了後、講義の感想を受講生の方にお聞きしました。
「研究倫理の講義の内容はちょっと難しかったけれども、色々なルールがあるということが分かりました。将来研究をしてみたいと思っていたので、今回知ることができたのは良かったです。」(佐々木萌希さん)
「講義は分かり易くて、楽しかったです。渡辺先生の講義内容は興味深くて、やる気が出ました。倫理の講義では、色々な例を知ってやってはいけないことが分かったので、これから役に立つと思いました。」(佐々木琉羽さん)
第5回講座はいつものような科学の講義ではありませんでしたが、色々な学びがあったと思います。ぜひ受講生のみなさんには、ブログに感想や考えたことなど寄せて頂きたいと思います。
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次回、3月9日の第6回講座は、高校生プログラムとの合同開催です。高校生の受講生による研究発表会を行います。今後、小中学生の受講生の皆さんが研究をする時の参考にもなると思いますので、お楽しみに!