4月に入りました。新年度となり、1つ学年が上がった受講生を迎え、科学者の卵のジュニア基礎コース後半の講座も引き続き充実した内容で開催します。前半第1~6回までは、講義・見学中心の内容でしたが、後半第7回からは、講義+実習中心となります。
4月20日のジュニア基礎コース第7回講座では、「飛行のサイエンス ~紙ヒコーキから火星飛行機まで ~」というタイトルで、浅井 圭介 先生(東北大学名誉教授)による講義と実習が行われました。
「恐竜」「動物」「植物」「宇宙」「エンジニアリング」「環境」・・・浅井先生は、受講生が興味を持っている色々な分野から、様々な切り口で「飛行の科学」についての講義をしてくださいました。
恐竜の時代、始めは卵を温める目的だった羽根が飛ぶためのものへと進化した始祖鳥。飛行と科学のパイオニアであったレオナルド・ダ・ヴィンチの残した鳥の骨格研究や飛行機やヘリコプター、パラシュートなどのスケッチや設計図。人類初の有人動力付き飛行を成し遂げたライト兄弟が最初に飛行機に興味をもったきっかけは、子供の頃に父親から買ってもらったおもちゃの飛行機だった・・・など、「飛行」につながる様々なエピソードに、受講生もワクワクしながら聞いている様子が見られ、いかに空を飛ぶことは人々の大きな憧れだったかを改めて感じたのではないでしょうか。
さらに講義では、ヒョウタンカズラやタンポポなどの植物の種が、遠くに飛ぶように最適な形状を持っていることや、プレーリードックが風を利用した巣穴づくりをしていることなど、自然界にみられる現象から「飛行機が飛ぶために必要なチカラ」を学び、宇宙で活躍する進化した飛行機や、飛行機と燃料・環境問題についてまで、話が及びました。
続いて実習では、紙ヒコーキや紙ヘリコプターなどのペーパークラフトを制作しました。講義で学んだ、飛行機が飛ぶために必要なチカラを考え、遠くまで飛ぶようにするにはどのような工夫が必要か、に挑戦です。
会場のあちらこちらで、微調整を繰り返し、試行錯誤している受講生の姿が見られました。
上手く紙ヒコーキが飛ぶようになってくると、「やった!」「飛んだ!」という歓声も上がり、受講生一人一人が、とても真剣に実習に取り組んでいました(保護者の方にもペーパークラフトに挑戦頂きました)。
「ライト兄弟の人類初の動力飛行から120年経ちました。彼らがおもちゃから出発した『飛行の科学』は、いまや火星探査の飛行機にまで進化してきています。ニュートンの万有引力についての説明のところでもお話しましたが、『飛行の科学』は宇宙でも共通する科学です。地球上で特殊なことが起こっているのではなく、地球上でいろんなことを調べていくと、宇宙ではどのようなことが起こるのか、ということがきちんと予測できてくるはずです。そういう意味で、受講生の皆さんは、これから科学者の卵養成講座でいろんな勉強をされると思いますが、まずは身近な現象、例えば今日行った紙ヒコーキの実験でみられたような現象から、こんなことが起きているんだ、ということを理解するように努めれば、将来、宇宙ビジネスなどで頑張ってみたいと思った時に、きっとその知識が役に立つはずです。皆さんが夢を実現してくれることを願っています。」(浅井先生)
講座終了後に、受講生に感想をお伺いしました。
「こんな小さな紙から作った紙ヒコーキでも、短時間で飛行の科学を理解する実験ができたことに感動しました。実習がとても楽しかったです。実習と講義の組み合わせで理解力が増すと感じました。講義中、知らない単語も出てきましたが、自分で調べてみて、もっと興味を広げたいと思います」(鈴木美春さん)
受講生にとって、最初は上手く行かないことでも、挑戦し試行錯誤をするうちに、理解が進み上手く行く、という経験ができた講座だったのではないか思います。科学者の卵養成講座では、今後も受講生がチャレンジや経験できる場を多く作っていきますので、どうぞお楽しみに。ぜひ感想などは、ブログに寄せて頂ければと思います。
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次回、ジュニア基礎コ―ス 第8回講座は、2024年5月12日(日)です。
「土曜日」ではなく、「日曜日」になりますので、お間違いの無いようにお願いします。