2025年11月8日、樹々が紅葉している青葉山キャンパスにて、高校生プログラムの第6回講義が行われました。
開始後の30分ほどはアイスブレイクで、受講生の皆さんと大学生メンターが高校や大学の学校生活や勉強、進路などの話で盛り上がりました。第6回目ということもあり、受講生の皆さんが積極的に話をしてくれ、メンターとしても大変楽しくお話しすることができました。
前半の講義では、東北大学・特任教授、東京大学・名誉教授の坪井 俊先生による「曲面上のモース理論」という講義でした。
モース関数という関数を用いて、曲面の図形の情報をどのように数式として表し、扱うのかを学びました。
高校での数学では、対称的な図形を考えることが多いので、複雑な図形を考えるモース理論を理解するのに苦戦している受講生もいたと思いますが、先生の話に耳を傾け、少しでも理解しようと頭を一生懸命に働かしている姿がみられました。
グループディスカッションでは、難しい理論を自分がどのように解釈したのかを積極的に共有しており、感心しました。
自分の疑問点を共有し、解決しようとする姿勢はとても大切だと思うので、これからも続けて欲しいと思いました。


後半の講義では、東北大学大学院医学系研究科・名誉教授の堀井明先生による「21世紀のがん医療~Precision Medicineと遺伝子医療~」という講義でした。
がんが発生する過程、がん医療の現状、新型コロナウイルスのmRNAワクチン開発の過程などを学びました。
受講生の皆さんは、熱心に先生の講義を受け、メモをたくさん取る姿が見られました。
グループディスカッションでは、ヒトゲノム解析が可能になった今、自分の全ゲノムを解析したいか、また、人類が到達できそうな「がん対策」とは何か、などを話しました。
自分の全ゲノムを知って、将来かかる可能性の高い病気への予防を早期に行いたいと思う受講生もいれば、知って将来に怯えながら生きるより、知らないでいる方が楽しい人生になると思う受講生もいました。
また、解析した全ゲノムデータの管理に不安を持つ受講生もいました。
受講生の皆さんは、最新医療が発展することのメリットとデメリットの双方を科学的な視点だけでなく、倫理的な視点などでも考えており感心しました。
また、質問の時間では、多くの受講生が手を挙げていました。受講生の皆さんが、自ら考え、積極的に理解を深めようとする姿勢が見られました。

次回の講義は、12月13日です。
体調を崩しやすい時期ですので、体調管理に気を付け、元気に次回もお会いできることを楽しみにしています!
今回の記事は東北大学理学部1年の大学生メンター、高野あかねが担当させていただきました。