11月11日(土)、高校生プログラムの第6回特別講義が、オンライン配信と直接対面によるハイブリッド開催で行われました。仙台は一気に冬の寒さの兆しを感じる日となりましたが、会場には多くの受講生が集まりました。
第6回は、午前中にはサイエンスチャレンジのグループワークが行われ、午後からはキャリア教育の講義と、科学者の卵養成講座修了生との交流会が行われました。
キャリア教育前半の講義では、渡辺正夫先生(生命科学研究科)が「教授の進路選択アドバイス–人生を戦略的に考える–」というタイトルで講義を行いました。
渡辺先生の子供の時の話から、学生の時にはどんなことを考えて進路を決めたか、そして人生について、と真剣な内容から学生時代の楽しいエピソードも交えての講義に、受講生は熱心に聞き入っている様子でした。
講義の後半は、質疑応答として、渡辺先生と一緒に、安藤晃先生(工学研究科)も登壇されました。研究者として、第一線を走る先生方に直接質問ができる機会とあって、受講生は積極的に手を挙げて質問をしていました。
受講生からの質問の内容は多岐に渡り、直球の質問内容に、思わず先生方が苦笑する場面も。
キャリア教育後半は、「大学生活・研究・受験勉強・なんでも気軽に聞いてみよう!」というタイトルで、科学者の卵養成講座修了生との交流会が行われました。
東北大学の各学部・研究科に進学した修了生に加え、今回は、東北大学以外の大学に進学した修了生も多く参加しました。
受講生は少人数のグループに別れ、途中グループ替えも行いながら、色々な先輩と交流し、各学部・学科の様子や、研究内容の話、どうやって進路を決めたのか、受験の勉強方法など、具体的な話を聴きながら熱心にメモを取る受講生の姿も多く見かけられ、このキャリア交流会の必要性を改めて窺い知ることができました。
講義終了後、受講生の堀井柚那さんから今回の講義について感想をお聞きしました。堀井さんは、自分の進路や将来に関して、悩んでいた状況から一歩前進したと実感したそうです。
「今回、色々な大学の色々学部から先輩たちが来てくださって、たくさん質問させていただいて、お話を伺うことで、「そういう道もあるのか」と今までの自分になかった考えなどを知ることができたのが、本当に良かったです。また、渡辺先生のお話を聴いて、まだ早いと思っていたけれど、今から将来や自分の人生のことをしっかり考え、大学入ってからもずっと考え続けていくことが重要で、自分もそうしていきたいと思いました。」(堀井さん)
最後に、渡辺先生と安藤先生に今回の講義を総括して、お話をお伺いしました。
「キャリアを作る上で大切だと思うのは、色々な選択肢がある状況で、何を選択したとしても、自分が選択したこと・選択した道について『これが良かったんだ』と思えるようになること。別な選択肢の方が良かった、などということは誰にも分かりません。自分にとってこれが良かったと思えるようにできるか、これは僕の学生時代でも、今の時代でも、普遍的に重要なことと思います。また、いくつになっても、自分の身の回りに起こる自然の事物や現象に対して『どうしてそうなの?』と常に疑問に思うこと、疑問に気付けることも大切で、受講生の皆さんにはそういう人であってほしいと思います。」(渡辺先生)
「デジタル社会の情報過多とも云える今の時代、受講生の皆さんは、ピンポイントですぐに情報を取得することができます。それゆえに、自分の好きな情報しか拾わなくなり、さらにそれを瞬時に良いか悪いか判断して、結果的に『情報は多いのに視野が狭い』という状態になっているとも感じます。視野を広く持ち、自分が意図しないところにも、もしかしたら大事な情報や、人生のヒントがあるかもしれないことを知ってほしいと思います」(安藤先生)
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次回、高校生プログラム第7回特別講義は、12月9日(土)です。