6月21日(土)にジュニア基礎コースの第8回講座が行われました。
今回は農学研究科農学系総合研究棟にて開催されました。前半は伊藤幸博先生による「DNAを自分の目で見てみよう」というテーマの講義が行われました。DNAの構造や生命の仕組みに関する基礎知識を、身近な例を交えながら丁寧に解説していただきました。
「DNA」と聞くと難しい印象があり、馴染みを持っている受講生は少ない様子でした。実際にDNAは動植物や細菌にも含まれていて私たちと密接なものであると知り、驚く受講生が多くいたように見受けられました。
次に、ブロッコリーからDNAを抽出する実験を行いました。
受講生たちは実験手順をしっかり理解し、手元の操作にも慎重に取り組み、最終的には透明な液体の中に糸状のDNAを目で確認することができました。初めてDNAを「見る」体験は、科学の面白さに触れる貴重な時間となりました。
講座後半では、農学研究科の学生の案内による施設見学が行われました。
圃場見学では、各研究室が栽培した多種多様な作物が紹介されました。中でもパイナップルが植えられていたことに対しては驚きの声が聞かれ、受講生たちにとって「農業は身近な技術でありながら、未知への探究が広がる分野」であると実感する時間となったようです。
研究室では、普段は間近で見ることができないような本格的な実験器具を紹介していただき、受講生は興味津々。器具の機能や研究の内容について質問する姿も見られました。
マイクロピペットの使い方に関する実習では、実験での正確な液体の取り扱いを学びました。初めての使用にもかかわらずスムーズに操作できている受講生もおり、実験器具への親和性の高さが感じられました。
続いて行われたイネのカルス誘導実験では、培養地に種子を配置するという少し高度な操作に挑戦しました。使用する器具に戸惑う場面も見られましたが、受講生は集中力を切らさず取り組み、二種類の培養地に種子を移植することができました。シャーレを持ち帰る際には、「これからどう変化するんだろう」と期待に満ちた表情が印象的でした。
第8回講座は、DNAという生命の根幹に関わるテーマを中心に、座学・実験・実習・見学という多面的なプログラム構成で行われました。理論から実践、さらには研究現場への理解までを網羅した内容により、受講生たちは農学とバイオサイエンスの分野への関心と理解を深め、探究心を育む貴重な体験となりました。