みなさん、こんにちは。蒸し暑い日が続いていますね。仙台ニ華中学校1年正宗藍です。
先日のジュニアコースで、農学部の伊藤幸博教授のご指導のもと、イネのカルスの培養実習を行いました。細胞を未分化なまま成長させる培養地に、イネの種をうえつけました。
現在、一週間ほどたった状態です。
根と一緒に胚の部分から、つぶつぶの白い塊が吹き出るようにカルスが増殖しています(◯印のシャーレ)。雑菌がまじることなく培養成功でした。
一方、普通に発芽させたもの(☓印のシャーレ)は子葉と根がきちんと分化して成長しているのがわかります。
カルスは癒傷組織といわれ、植物のカサブタのようなものだと、実験室で大学院の先生が教えてくださいました。
「野菜売り場のナスのヘタ付近にもたまにあるからさがしてみてね」とのことで、今度探してみたいです。
また「僕は大学で初めてカルスを見ました。カルス細胞は、遺伝子組換えに利用され、治療薬の開発などに役立つ細胞です。君たちは中学生からカルスを学べて羨ましい。」とおっしゃっていました。培養が成功していっそう嬉しく思いました。
カルスは自然界でも存在するようです。樹木の枝の切り口を塞ぐように盛り上がった木肌の部分がカルスなのだそうです。人で言えば擦り傷のあとのケロイドのようなものかと思いました。
カルスは未分化細胞の増殖ですが、生命を脅かすような異常増殖は見られないので、がん細胞とちがい悪さをしないもののようです。同じ未分化細胞の増殖のタイプでも違いがあり、興味深いです。
☓印のシャーレの稲は正常に発芽したので、今後バケツに植えつけて育ててみようと思います。通常の田植えより3ヶ月遅れた遅場米がどう育っていくか楽しみです。
投稿者 : 仙台市立八幡小学校