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活動ブログ

2022. 12. 17 | 受講生ブログ(高校生)

Unlimited Dreamer~夢追うたまご~ 第7回

こんにちは。秋田県立大館鳳鳴高等学校1年の飯塚凜人です。秋田県大館市では、町はすっかり雪景色となりました。2022年も沢山の出来事がありましたが、科学者の卵の受講生として様々な分野の科学に触れることができた約半年間は、非常に実りがあり成長することができた日々になったと思います。今年身に付けた科学の見方を、来年以降は実際の研究で応用していきたいです。さて、今回は今年最後の特別講義である第7回講義についてご報告いたします!

 

第7回講義は学校の予定があり、実際に大学に訪れ講義をお聴きすることができず残念でした。しかし、オンラインでも他の受講生と意見をしっかりと共有できるように、講義の感想や疑問点等を短時間で分かりやすく言葉にして伝えるということを意識しました。実際に研究発表を行う際は、研究の意義と効果を幅広い人々に届けることができるように説明を組み立て、人々の興味を確固たる理解へと仲介することが必要です。それこそが、世界の中で先駆者として世の中の不思議を知ろうとする研究者の役割で、たとえ「研究者」の立場が科学が好きな高校生であってもそれは変わらないと思います。

 

新たな材料をデザインする

始めに滝澤先生による「化学反応の場を探る~マテリアル・デザインと新物質探索~」についての講義がありました。元素は周期表の並び方や多様な性質が面白くて少しだけ知識があったのですが、今回の講義では元素を組み合わせかつてない物質をデザインするということがテーマに置かれていて、とても斬新な印象を受けました。英語で化学を示すchemistryという言葉には、日本語で「融合させる」という意味があり、化学という学問には常に新しい何かを生み出すということが根幹にあるように感じられました。また、今まで、電気陰性度や極性の有無のみによって結合のしやすさが決まっていると思っていましたが、設計の工夫として14 族元素(炭素やケイ素など)が強固なネットワークを持つということを利用し、それを中心として周期表における位置が対象になるように設計することが挙げられることが分かりました。さらにユビキタス・ネットワークというように、「利用できる」という意味を持つユビキタスという言葉ですが、化学の世界でも地球の地表付近にたくさん存在する元素をユビキタス元素というそうです。(概念としてはレアメタルの反対に近い。)酸素や鉄などといったユビキタス元素を生かして、脱レアメタル元素の資源貯蓄に優しい新物質を作るということが今後の化学発展に必要だそうです。私は地球外の小惑星からレアメタルやレアアースなどの資源を調達するという小惑星鉱業に興味があり、地球の資源枯渇を防ぐために地球以外の場所から資源を持ってくるという考え方に肯定的でしたが、マテリアル・デザインの際の工夫で地球での自給自足が可能になるということが革新的で、自分の視野が広がりました。実際にユビキタス元素の利用例について調べたところ、「ナノキューブ集積結晶」というアイディアを発見しました。元素の界面面積を最大にすることができ、環境に優しいユビキタス元素がメインの材料でありながら巨大物性を持つ材料を作ることができるそうです。

 

歯から臓器ができる!?

続いて福本先生による「哺乳類の進化における歯の重要性について」という講義がありました。歯学部という学部やその研究について予備知識が少ない状態で臨んだ講義でしたが、医療でもあり工業でもある深い研究が実施されているのだと知りました。歯は人間の脳を活性化させたり、優れた感覚で口内に異物が侵入していないか判断する役割がありますが、虫歯や病気に対する治療で永久歯を失ってしまった場合、もう生えてこないということが課題です。そこで、研究で最近注目視されるiPS細胞を取り入れて、それから新しい歯を作るということに挑戦されていました。しかしまだ実験途中で、完成した歯は未だに3000万円ほどのコストを要したり、マウスを用いた実験では口から毛が生える(毛と歯の発生過程は似ているため)ということが起こるそうです。また、歯に存在する歯髄幹細胞にもiPS細胞と似た働きがあり、これを使って人間の脳神経を人工的に作り出し、倫理に反さずに人間自身の脳を用いて脳神経などの解析を行えるようになっているそうです。脳の解析では発達障害をもつ人の脳のしくみも明らかにすることが可能になり、その治癒の実現も期待されているそうです。歯という体の一部の細胞を用いて、多様な組織を再生できるようになりつつあり、再生医療の発展につながり難病の治療にも多大な効果をもたらすと思います。今からその発展が楽しみです!!先生の研究の手順を拝見した際、1つ1つ結果と共に根拠が示されていて説得力があると感じたので、今後自分も研究に取り入れてみたいです。

 

海外へ飛び出す

最後に賀川先生による「2035年の自分を見つめよう~変化する世界をどう学び、ネットワークしてゆくか~」という講義がありました。近頃日本よりもさらに広い世界があって、将来そこに飛び出してみたいと思う気持ちは高まるばかりです。日本にも日本の良さがありますが、やはり自国にはない価値観や技術などに触れて、科学や人生観などに対する視野を拡大させたいという想いが強くなっています。その目標を実現させるうえで、自分自身海外に進出した際に他国の人々に自分のことを理解してもらうだけの受け身の存在でいるばかりでなく、相手の文化に寛容である姿勢を体現しできるだけ早く他の国の人々と打ち解けていけたらと思います。日本人を含むアジア系の人々は、欧米人と比べ直球的な発言を避ける傾向にあるとは言われますが、様々な人種と関わる中で素直に意見や評価を伝え合うことが互いの成長に繋がることもあります。そのため、将来世界を股にかけ海外の研究者と意見交流をしながら研究をすることを目指すうえで、今回学んだことを今後も大切にしていきたいです。

 

次回の特別講義は2月に行われるということで、かなり間が空き少し寂しいです(*´ω`*)しかし、次の講義までの期間も絶えず科学に触れ続けて、知識をつけていけたらと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

投稿者 : 秋田県立大館鳳鳴高等学校


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