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活動ブログ

2024. 11. 29 | まちかどサイエンス

イソヒヨドリの謎

こんにちは、東北学院高校の矢口智也です。12月を前に特に朝は冷え込み、冬らしくなってきました。体調にお気をつけてお過ごしください。

今回のまちかどサイエンスは、ある鳥についてです。皆さんは、「イソヒヨドリ」という種類をご存知でしょうか?イソヒヨドリは全長23cm、オスは全身青藍色で腹がオレンジ色、メスは全身灰褐色の鳥です。

↑左がオス、右がメス

なお、大きさが別種である「ヒヨドリ」と近いことから、ヒヨドリの名前が入っていますが、実際は、

ヒヨドリ→スズメ目ヒヨドリ科ヒヨドリ属ヒヨドリ
イソヒヨドリ→スズメ目ヒタキ科イソヒヨドリ属イソヒヨドリ
であるため、全く異なる種です。
←ヒヨドリ(大きさの比較にはなりませんが…)

この種は、世界的には高山地域にしか生息していないと言われていますが、和名に「イソ(磯)」が付いていることから、日本では海岸に生息していると推測出来ます。しかしながら、私が今回のブログで使用している写真の対象は皆、住宅街で撮影した個体です。調べてみると、イソヒヨドリは近年、都市部にも進出してきているそうです。一体なぜなのでしょうか?ポイントとして、「世界的には高山地域に生息している」というのがあります。

ここでいう高山地域というのは標高2000~4000mの岩石地帯ことを指します。日本にもそのくらいの標高の山々は存在しますが、岩石地帯であるとは言い切れません。岩石地帯となれば、断崖絶壁がいくつもあり、岩肌が露出して見えるような場所です。では、日本のイソヒヨドリたちはどこに住んでいるのか、それは周りよりも高さがあり、長い目で見れば岩石と色の似ているビルや家屋といった人工物です。そもそも、イソヒヨドリの好みの地形として、高低差の大きな場所(大陸でいう、広大な高山地域)があります。日本の都市部で多くの建築物が立つようになると、(高度経済成長期以後)元々いた岩礁地域から、住む拠点を移したようです。イソヒヨドリの食べ物として、小動物や植物の果実などがあり、都市部でも食べ物の獲得が出来ることに気づいた結果なのかもしれません。

個人的には、比較的短期間で岩礁地域から都市部へと住処を移し、その鳥の特性に合ったように行動しているところに面白さを感じました。また、イソヒヨドリが住処にしやすい人工物の色や形の傾向についても研究してみたいと感じました。

イソヒヨドリは留鳥の一つで、地域によっては一年中見ることが出来ますので、もし、イソヒヨドリを見つけた際は、じっくり観察してみてください。

投稿者 : 東北学院高等学校


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