こんにちは。A-014淑徳与野高校の大西悠凜です。
この夏休みに二泊三日で福島県北塩原村を訪れ、きゅうりの収穫を手伝いました。その体験を、はじめての「まちかどサイエンス」として記します。
農学部で学ぶ姉が大学の授業の一環として一週間のファームステイを経験し、その話に興味を持った私は、自分も夏休みに手伝いに行けないかとお願いしました。農家の方々は快く受け入れてくださり、念願の体験が実現しました。
電車とバスを乗り継いで六時間あまり、目の前に広がったのは夏の陽光を受けて風にそよぐ緑の稲穂でした。澄んだ空気は心地よく、水道水も驚くほど美味しく感じられました。
農家では水稲ときゅうりを栽培しており、この時期はきゅうりの収穫が中心でした。朝四時半に起床し、収穫と仕分けを行い、昼寝を挟んで再び収穫と仕分けを繰り返す生活でした。三日間だったからこそ乗り切れましたが、これを毎日続けるのは大変だと実感しました。家庭菜園程度の経験しかなかった私は、ハウス内の蒸し暑さに苦しみながらも、本格的な収穫作業を楽しむことができました。
特に印象に残ったのは仕分け作業です。私は機械で行うものと思い込んでいましたが、実際には一本一本、人の目で確認していました。黄色く色づいたものや曲がったものを基準に分けるのは想像以上に難しく、出荷されるきゅうりには丹念な手作業が込められているのだと知りました。これからは、スーパーで並ぶきゅうりを見る目が変わりそうです。
また、きゅうりは湿気や日射の影響を受けやすいことも学びました。太陽の当たる列では収穫量が多く、前日の湿度によっても変わります。ウイルス対策も大きな課題で、苗の品種改良やワクチンの使用など、さまざまな工夫が行われていました。しかし収穫のピークには感染したきゅうりも出てしまうそうです。人間が忙しいときに免疫が下がり風邪をひきやすくなるのと同じだと聞き、納得しました。
農家さんは、農協との関わりや農業を続ける上での悩みについても率直に語ってくださいました。科学者の卵養成講座で学んだ内容とも重なり、現場の声を通じてより深い理解につながりました。
さらに、三日間を通して福島の美味しい食べ物もたくさんいただきました。特に桃でお腹いっぱいになるのは初めてでした。「まどか」という品種の桃は大ぶりで美しい桃色をしており、果肉は緻密で果汁も豊富で、その美味しさに感嘆しました。調べてみると、「まどか」は大玉あかつきの実生から選抜育成され、あかつきと川中島白桃の良さを併せ持つ品種だと分かりました。
懐かしさを感じる風景の中、明るく温かい農家さんご家族やパートの方々と過ごし、最高の三日間となりました。
投稿者 : 淑徳与野高等学校