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活動ブログ

2024. 10. 07 | まちかどサイエンス

稲刈りの時期の田んぼにサギが集まるのは何故か

こんにちは、東北学院高等学校の矢口智也です。10月になってから少し前までの暑さは和らぎ、ようやく秋の陽気に包まれ始めています。

 

さて、今回は「コメ」と「鳥」に関するまちかどサイエンスです。コメの収穫時期からは少し離れてしまいましたが、共有したいと思います。まず、コメといえば東北での生産が盛んです。2023年の東北地方全体の生産量は2236万トンであり、東北は日本有数の穀倉地帯となっています。東北ではなくとも、北関東や北陸でも生産量が多いというのは知られたデータですね。そして、最近の米の収穫で、鳥が多く集まっているのが多いことにお気付きでしょうか?色々な種が集まる中で一際目立つのは、シラサギでしょう。

(←高校の周りに広がる、稲刈り後の水田。よく見るとサギも見える。)

シラサギにもダイサギチュウサギコサギといったように大きさに応じて3種に分けられますが(この3種も厳密には細かい特徴があります)、どれも収穫時や収穫後の田んぼで見ることが出来ます。時には何十羽、何百羽が集まることのあるシラサギですが、一体なぜコメの収穫があると集まってくるのでしょうか。当然かもしれませんが、餌を獲得するというのが最もな目的でしょう。サギは小動物を主食にするため、稲を刈ったときに驚いて出てくるバッタなどの昆虫やカエルなどの両生類を狙っていると見られます。

(この話には関係ないですが、私はサギが飛んでいるときに口から落としたミシシッピアカミミガメの死骸が家の庭に落ちているのを見たことがあります…)

(←七北田川支流で活動するシラサギ)

 

このような情報はインターネットでいくらでも出てくるので、私は別の観点から考察してみました。

サギは群れで行動することが多く、鷺山を形成することがあります。色々な市町村で「鷺山」という地名を見かけますが、やはりサギの群れが元になっています。ただ、鷺山は山や水辺の開発によって減少傾向にあります。生息域が狭まるということは、新たに活動する(餌の獲得も含む)場所や社会的な行動(個体同士のコミュニケーションや繁殖活動など)の可能な場所を探す必要があることになり、近年になって、サギが平野部でとんでもない数の集団として出現してきているのではないでしょうか。つまり、「活動場所の確保」が私の考えです。

私はサギ1羽単独での行動しか写真に収めることが出来ませんでしたが、インターネットで検索すると、集団で行動している様子を見ることが出来ます。

 

田んぼは日本各地に数え切れないほど存在しますが、じっくり見てみないと不思議に気付けないと実感しました。皆さんも、身近なものに目を向けてみると、不思議に感じることが意外とたくさんあるかもしれません。今回も最後までご覧下さりありがとうございました。

 

 

【追記】

ちなみにサギが集まると、鳴き声がうるさい、やフンがたくさん落ちていて不快だ、という報告が多く挙がるそうです。参考として埼玉のニュースを添付します。

参考)【恐怖】埼玉の住宅街に“サギ”集団 被害報告続々…住民「ギャーギャーと本当にうるさい」すみか奪われ大移動か?

 

 

 

投稿者 : 東北学院高等学校


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