こんにちは、青森県立八戸北高等学校の坂本由衣(A-035)です。大変日が経ってしまいましたが、9/1植物バイオテクノロジー学会への参加記録を残します。(常体が自分に合わなかったため敬体で書き留めます)
今回の会場は文系学部のある川内キャンパスでした。今までの講義を聞いて、「こんなにおもしろい技術や分野があることを子供たちに伝えられたら、子供の将来に繋がるのだろうな」という気持ちに駆られ、教育系にも興味を持ったのでキャンパスの雰囲気を見られてよかったです。(学会終了後、さらにこの思いは強まってしまいました)
今回の講義で特におもしろいなと思ったものは、「オーダーメイド実用植物を作る」です。遺伝子のONOFFを制御するスイッチ「転写因子」を壊したり、別の強力なものをつけたりして植物の潜在能力を引き出すといった技術です。この技術のおもしろいところは「どんな特徴を持つ植物が生まれるかわからないところ」で、講義スライドにはちっちゃすぎるものや暑さ・寒さに強いもの、さらには自分を病気だと思いこむものが紹介されていました。これほど多様性に富んだ植物が、ガチャのようにほぼランダムに得られるところにロマンを感じます。さらに、この技術は別の生物の遺伝子を入れ込む「遺伝子組換え」とはちがって、もともとその植物に備わっていた遺伝子を表面に出させるだけなので有害な物質が生まれにくいことも魅力だと思っています。みなさんはどんな特徴の植物が生まれてほしいですか?私は、甘くて食べやすくかつ栄養豊富な植物(野菜)が生まれてほしいです。ラクして健康になりたいのです。
また今回の講義でいちばん将来性を感じたものは「プラズマを利用して植物を病気に強くする」です。物質の三態に加わる新たな概念であるプラズマのはたらきによって、空気中の窒素・酸素・水から有用な物質を作り出すという技術です。まず驚いたのはプラズマによって多様な化合物を作り出せるところです。学校の授業で化合物について学んだとき、原子の組み合わせは有限で、化合物を種類も少ないものなのだと思い込んでいました。しかし講義スライドでプラズマのはたらきによって生まれる、N・O・Hの三種でできた物質たちを見て、こんなに幅広い組み合わせがあるのだなと驚きました。しかもその中で特に「五酸化二窒素」は、肥料の役割や病原菌の除去、植物の免疫システムを向上させられる植物のエキスパートです。この五酸化二窒素を畑で作り作物に放射する技術がすでにできていて、タカラトミーさんに提供されているというので驚きです。ちなみに、あのガンダムの武器ビームサーベルがプラズマを利用した機構なのでは…?という関係があってタカラトミーさんに提供されているそうです。意外なところで生まれる縁も大切にする姿勢がとても尊敬できますね。プラズマを用いた植物の生産も、ビームサーベルの再現も両方が実現できることを願います。
今回は私の比較的得意な分野の講演だったのでとても楽しかったです。それと同時にいつかくるであろう医学分野や物理学分野を恐れていたり……何はともあれ、また一つ最新の技術を学べてよかったです。次回はいつもの講義スタイルに戻るので、たくさん質問できるようがんばる。
投稿者 : 青森県立八戸北高等学校