最近30℃を下回ると涼しく感じてしまう今日この頃です。
初めまして、東京学芸大学附属高等学校1年生の岡崎百花です!
期末試験がようやく終わったので、やっとブログを書く時間が取れました!!多くの高校生はこの1週間期末テストだったのではないかと思います。みなさん、お疲れ様です。
さて、先日(7月2日土曜日)に、待ちに待った第一回講義がありました。前半はオリエンテーションで、過去に受講された先輩方のありがたいお話を聴きました。後半は、伊藤幸博先生の「遺伝子組み換え」についての講義と、グループでのディスカッションがありました。それにちなんで、このブログでは、今回の講義内容「遺伝子組み換え」についていろいろ書くので、興味のある方はぜひ最後まで読んでみてください。
「遺伝子組み換え」を英語では、”Genetically Modification” と言うそうです。英語の勉強も兼ねて、その定義を英語で見てみましょう。
When people refer to genetically modified organisms – GMOs – they are referring to crops developed through genetic engineering, a more precise method of plant breeding. Genetic engineering, also referred to as biotechnology, allows plant breeders to take a desirable trait found in nature and transfer it from one plant or organism to the plant they want to improve, as well as make a change to an existing trait in a plant they are developing. Some examples of desirable traits commonly transferred include resistance to insects and disease and tolerance to herbicides that allow farmers to better control weeds.(GMO answers)
日本語だと、概要はこんな感じです。
遺伝子組み換え生物(GMOs)とは、バイオテクノロジーの一種である遺伝子操作によって、自然界にある生物の遺伝子を対象の生物に入れることで作られた生物のこと。主に、害虫や病気に強い作物や、より強い農薬にも耐えられる作物を作るために利用されており、農業生産の効率化が期待される。
ここで大事なのがこの部分
”take a desirable trait found in nature and transfer it from one plant or organism to the plant they want to improve”
遺伝子組み換えの元となる遺伝子は自然界に存在する遺伝子で、さらに言うと、”exchange”(入れ替える)ではなく、”transfer” (移す)だけなんだそうです。別に、遺伝子操作したい作物の遺伝子は無くなることはなく、ただ別の生物の遺伝子が入り込んでくるだけです。その生物が、今回の講義の主役とも言える「アグロバクテリウム」です。話が繋がりましたね。講義中、伊藤先生は、遺伝子組み換えは入れることだとおっしゃっていました。「入れる」ところに遺伝子組み換えの本質があるようです。そう考えると、「遺伝子組み換え」という日本語訳は、誤解を招きやすいのではないかと私は思います。「組み換え」と聞くと、”exchange”とか、ごちゃごちゃ遺伝子をいじくっている印象を強く受けやすいのではないかと思うのですが、みなさんはどう思いますか?私は、そのような印象が講義前まではありました。「遺伝子注入」とか「遺伝子組み込み」とかではどうでしょうか(浸透させるつもりはありません)。
余談で、先ほどの英文の引用先であるGMO answersというサイトは、アメリカのThe Council for Biotechnology Information(CBI)というバイテク企業団体が立ち上げたサイトで、遺伝子組み換えについての情報提供や、専門家による質問への回答をしています。質問も送ることが可能ですし、興味のある方はぜひご覧ください。
以上、「遺伝子組み換え」について、特にその本質となる部分について触れましたが、ここで私が思ったことは、最近の科学技術は著しく発展していて、その本質が見えにくくなっているのではないかと言うことです。遺伝子組み換えについても、私だってその仕組みや本質を知ったのは講義後つい最近ですし、逆にそれまでは怪しい印象でさえもありました。コンピュータについても、裏では複雑なプログラミングや演算がはたらいているけれど、それを意識して使うことはほとんどないです(そういう人もいるかもしれませんが)。皆が皆、四六時中、すべての科学技術の本質について思考を巡らせている必要は到底ありませんが、時にはこうやって本質に迫ることも重要です。遺伝子組み換えがどういうものなのか、ほとんど知らずに疑惑の目を向けるのは理不尽なことだと思いませんか。そういうことがないように、私たちができることは、正しい知識を身につけてしっかり考えること。科学者の卵養成講座はその絶好のチャンスですし、他にも参加できる講義やためになる書籍はたくさんあります。今のうちから、積極的な姿勢でそういったものに取り組んで、科学技術の本質を正しく見出せるように日々努めていきます。
次回は7月30日。夏休み中盤に差し掛かるあたり。夏休みもいろんなことに挑戦して、卵の細胞分裂をすすめていきたいです。楽しみにしています!!!
岡崎百花
投稿者 : 東京学芸大学附属高等学校