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活動ブログ

2026. 02. 25 | 受講生ブログ(高校生)

鉄道の動力源の進化(+環境に優しい車両)

おはようございます。宮城県古川黎明高等学校1年の千葉隆杜です。本当は前回、前々回の講義のブログを出そうと思ったのですが、実用英語技能検定や後期期末考査の受験により厳しくなりました。代わりに今回のブログを書きます(ちなみに英検2級は7回目で1次試験を通過したのですが、2次試験は閉講式の翌日です。レポートは当日終了必須!)

今回私は鉄道における動力源について話したいと思います。下手すると大都市圏の方々の多くは、鉄道の全てが電車すなわち電気で動く、と思ってらっしゃる気がします…。ですが実際はそうではなく、我が故郷宮城においては電車なんて仙台周辺と東北本線、新幹線くらいで、田園地帯を走るローカル線なんて珍しくもなんともないです。大抵その様な列車は架線がない、非電化と呼ばれる状態なのです。電化されたローカル線も少なくはないですが、宮城では阿武隈急行線くらいしか思いつきません。廃線間際のくりはら田園鉄道も最後は非電化でした。

まあ地元の話題はこれくらいにして、鉄道の歴史とともにみていきましょう。鉄道の始まりは、ドイツで作られた木製のレールとトロッコと言われています。その後鉄製に変わり、重い物を早く運ぶために動力というのが使われ始めます。最初は馬や人でした。馬車の様な感じで人や物を運んでいたそうです。また、人が押すトロッコ、というのは当時は少なかったそうですが、日本では人車鉄道が鉄道開業後に各地で開業しています。宮城県でも、大崎市松山の松山ふるさと歴史館では本物の人車を見学できる(埼玉県の鉄道博物館にも展示)ほか、御本丸公園では4〜10月にレプリカの車両で乗車体験ができます。

ここまでは人間や動物の力でしたが、需要が拡大するにつれて力不足となってきました。そこで登場したのが蒸気機関車です。18世紀にジェームズ・ワットが発明した蒸気機関は、スティーブンソンにより完全な蒸気機関車となって世界に広まります。日本においても1872年の鉄道開業時から1976年の全廃まで鉄道車両の主力として走り続けました。この蒸気機関車は石炭を燃やした熱でボイラー内の水を蒸発させ、高圧の蒸気でシリンダーを動かして走るという仕組みです。しかし石炭の産出量の減少や保守に手間がかかるなど非効率なため、都心部や幹線は電気機関車・電車、ローカル線はディーゼル機関車・気動車へと代替が図られます。

電車は言うまでもなく電気でモーターを動かして走ります。エコと言われていますが個人的には発電時に二酸化炭素を出してしまえばエコではないと思うのですが。電車には直流電車と交流電車、さらには交直流電車なるものがあります。直流電車は電力会社から送られてきた電力を架線や第3軌条(地下鉄に多い、架線の代わりのレール)から取り入れてモーターを回します。設備の安さから日本三大都市圏の他、関東甲信・東海・近畿・中国・四国で使われています。なお宮城県においては昨年開業100周年を迎えた仙石線で当初から直流電化されています。これは開業当時交流電化の技術が発展していなかったからです。

JR東日本205系3100番台直流電車

一方で地方への電化を普及させるために交流電化の開発も進んでいました。最初に実用化されたのは仙台と山形を結ぶ仙山線で、試験開始後2年ほどで実用化に至りました。その成果は新幹線の開発にもつながっています。交流電化は車両の製造費が高くなる傾向にあるため、列車の本数が少ない北海道・東北・九州の他、前述の通り新幹線にも採用されています。

JR東日本E721系1000番台交流電車

JR東日本新幹線E5系電車

そのため直流電化と交流電化が必ずぶつかる場所(デッドセクションという)があります。そこを通過するために交直流電車(電気機関車)が導入されています。ただ製造費が高く、旅客会社では導入例が非常に少ないです。

 

EH500形式交直流電気機関車

この他電化区間で蓄電池に充電して、非電化区間でその電気を使いモーターを回す蓄電池電車もあります。

次にディーゼル機関車およびディーゼル気動車についてお話しします。ディーゼル車はエンジンで発電機を動かしてモーターを回して走る電気式と、エンジンで流体制御器と呼ばれる装置を動かして走る液体式があります。開発初期は電気式が採用されましたが、重すぎて地方線区への入線が困難(地方には地盤が弱い線路がある)なことから液体式が普及しました。

JR東日本キハ110系気動車

しかし近年は環境負荷を考え電気式が増えています。電気式の利点として環境負荷の軽減だけではなく電車との部品の共通化が図られ、保守の手間も省けます。

DD200形式電気式ディーゼル機関車

近年はこれに似たハイブリッド車両も製造されています。トヨタのプリウスと同じようにディーゼルエンジンと回生ブレーキで発電しモーターを回して走る、また違うシステムです。電気式ディーゼル機関車との大きな違いは蓄電池があることでしょう。宮城県では仙台と石巻を結ぶ仙石東北ラインや、南東北の観光列車SATONOなどがあります。仙石東北ラインにおいては交流20000Vの東北本線と直流1500Vの仙石線を直通するために、コストが高い交直流電車の役割を担っています。

JR東日本HB-E210系ハイブリッド気動車

2022年には神奈川地区で水素電車の試験も始まりました。燃料電池自動車と同じように、水素と酸素を反応させることで発電し、回生ブレーキで充電します。

このように鉄道車両の動力源は2世紀弱の間にここまで進化しました。これからも環境に優しい高効率の車両が開発されていくでしょう。

仙台に来た際は仙石東北ラインの旅をしてみてください。ディーゼル気動車と違い圧倒的に静かで、豊かな宮城の自然を楽しめると思います。宮城にぜひお越しください。

最後に、みなさまはアイキャッチ画像に写っている生物にお気づきでしょうか?

実は、トンボがロープの上にとまっています。トンボの二つの羽と「ハイブリッド」気動車をかけてみました。どうだったでしょうか…?

ご覧いただきありがとうございました。

投稿者 : 宮城県古川黎明高等学校


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