こんにちは。秋田県立大館鳳鳴高等学校1年の飯塚凜人です。雪が多い秋田県大館市も、暖かな春の日差しを受けて、山の頂上に残雪が僅かに残るのみとなりました。1年が過ぎるのは早いもので、もうすぐ新年度を迎えます。期待と不安が入り混じりますが、次のステップでまた自分を高めていけるように準備をしていきます。このブログを読んでくれている高校生の皆さん、来年度も共に頑張っていきましょう!!
3月11日に、令和4年度発表会が実施されました。研究基礎コース最後の開催となり寂しい想いでしたが、今回は通常よりも多くの受講生や先生方が現地にいらしており、会場は賑やかな雰囲気でした。僕はありがたいことに、研究発展コースに参加させて頂けていたため、この日研究を発表することになっていました。研究テーマは、「光を用いた細胞機能の観察」で、東北大学大学院医工学研究科・神崎先生にご指導して頂きました。研究発展コースが開始した去年の12月から、発表会に照準を合わせ様々な実験やデータの解析、まとめ作業を頑張ってきました。同じ研究室の受講生の仲間とも、たくさん話し合いを重ね協力して準備してきたので、その成果を当日発揮できるよう全力で発表会に臨みました。
会場入りしたのは、発表会開始の1時間30分前の11時。班員と最終確認をじっくり行い、本番を迎えました。発表では、相手に伝えることを意識して、たんに原稿を読むだけにならないように意識しました。レーザーポインターを用いて、どこの図について話しているかを、ご覧になっている方々が分かるように工夫しました。準備してきたことを出し切れたと納得できる発表になったと思います。しかし7分のみの発表で触れることができなかった内容がたくさんありました。本当はもっと伝えたい情報が盛りだくさんでした!自分たちなりに伝えるべき情報を吟味して、発表の原稿を考えてきたつもりでしたが、もう少し聞き手の興味を惹くことができる発表にできていたらなおよかったと考えています。この点は、自分自身今回の反省として、次回以降の研究発表の際に生かしていけたらと思います!(一緒に頑張ってくれた班員の皆さん、ありがとうございました。)
質疑応答の時間も、何名かの方々に質問をして頂きました。ブースに足を運んでくださった皆さん、ありがとうございました。ただ、当日お答えすることができなかった質問が1点ございましたので、この場をお借りしお答えいたします。
※エレクトロポレーション法・・・細胞膜に電圧を加え、細胞膜に微小の穴を開け、そこから細胞内に遺伝子を導入する手法。細胞膜に空いた穴は、細胞が持つ自己修復力によって塞がるが、細胞の死滅は他の手法と比較し多く起こる。
エレクトロポレーション法 https://www.matsusada.co.jp/case/ps/electroporation.html
リボソーム法 https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2001/pr20011004_3/pr20011004_3.html
脂肪細胞の組織 fat reservoir・・・脂肪溜め
「光を用いた細胞機能の観察」というテーマで研究を続けてきましたが、この研究テーマは将来の医療の発展にも大きく貢献していくものであるそうで、とても魅力的でした。今回行った実験とは直接的な関係はありませんが、人体の中にある物質(今回の実験でいえばタンパク質)を蛍光や発光を用いて観察すると、その物質の細かい仕組みや働きが分かるようになります。そのため、将来的に同じ手法を用いることで、病気の原因や治療法を効果的に割り出せるようになり、新薬開発にも大きなヒントを与えられるようになるという利点があります。まだまだ、分からないことの多い分野ですが、それだけに今回このような研究に携わることができて良かったと考えています。ご指導してくださった先生やTAさん、ありがとうございました。
他の班の発表もとても興味深いものばかりでした。どの研究にも専門語句や細かい図があって、発表会の間に全てを理解することはできなかったので、機会があれば論文等を読ませていただきたいなと感じました。研究の中には、自宅に持ち帰って実験や観察を行っているものや、試行において何度も失敗を繰り返したうえに漸く成功したものもあり、他の班の皆さんも発表会のためにたくさん準備をしてきたのだということを窺いました。どの班も発表が工夫されており、他の班から学ぶこともたくさんありました。また、一度に様々な分野の研究の発表を聞くことができて、もの凄く心に残る時間でした。質疑応答の際に、質問にも丁寧に対応してくださって大変ありがたかったです。そして、今回賞を受賞された班の皆さん、本当におめでとうございました!!
発表会の終了後、修了式が行われ半年以上に渡った科学者の卵研究基礎コースが終了しました。先生のお話によると、現在世界中で最先端の研究に尽力している科学者の卵OBがたくさんいらっしゃるようです。今年の受講生である僕たちも含め、将来科学者の卵の縦の繋がりが生まれていってほしいし、科学者の卵が研究を盛り上げていく先駆けになってほしいとのことでした。僕も先輩方のようになり、先生方の願いを実現できるように、今後も努力を重ねていこう心に誓いました。
みらい型科学者の卵養成講座に応募し参加が決定したのが、ついこの間のことのように感じられるほど、1年間が充実していてあっという間でした。科学者の卵では、1か月に1回の特別講義はもちろん、レポート課題やグループディスカッション、大学生との交流、そしてブログの執筆など、特別な体験をたくさんさせて頂きました。レポート課題などの中には難しい問いも多々あり、一筋縄ではいかないようなこともたくさんありました。しかし、毎回自分の力で取り組むということを意識し、分からないことを納得いくまで調べるということを大切にし、諦めずにやり通すことができました。グループ活動では、科学についてお互いに意見しあいながら、チームワークを大切に作業することができました。このような活動を通し、自分自身身の回りの現象についてこれまで以上に疑問をもつようになり、それを解決しようという意欲や課題解決能力が向上しました。また、化学、生物、物理、地学、情報、薬学、医学、農学など、様々な分野の科学に触れることができ、自分の興味の幅も広げることができたと感じています。
夢を実現するための前身となる活動を実際に行うのは、ほとんどの場合大学入学後になると思います。例えば、僕が発展コースの参加で大学の研究室に伺ったときに拝見した、研究室の実験設備。高校との規模の違いに驚き、モチベーションが高まったのを覚えています。このように高校より一歩高いレベルで、将来へ準備する場所が大学で、科学者の卵はその一部を今回受講生である僕たちに体験させてくださいました。しかし、大学で本格的にやりたいことに没頭するためには、高校時代の下積みや学力・知識の向上が重要になります。そのため、科学者の卵での経験を生かし、高校時代にどれくらい成長できるかが最も大事なことで、それは全て自分の努力次第ということになってくるのだと思います。幸いなことに僕には高校卒業まであと2年間あります。その間に科学との距離をさらに深め、自分の可能性の幅を広げていけたらと思います。(もちろん、第6回講義の渡辺先生のキャリア教育で学んだことが、自分の生き方を決めていくうえで大きな支えとなっていくでしょう。)努力は必ず報われる。このことを、大学で研究に打ち込む先生方や、卵OBの皆さんの背中を見て感じました。また、今回この講座に応募したことで、たくさんの素晴らしい出会いもあったと感じています。このようなたくさんの努力や新たなステージに飛び込む勇気があってこそ、たくさんの人との出会いや新たな発見が生まれていくのだと実感しました。科学者の卵で、人間として成長できた点がたくさんありました!残された高校時代も1歩ずつ努力を重ね、将来ひよこやにわとりとなって飛躍していけるように日々邁進していきます。
最後になりますが、僕は月1回のペースでブログを更新するのを、ひそかに目標としていました。今現在当初の目標を上回るペースで、ブログを更新できているので目標を達成できたということになります。7月から、講義を受けた後自分自身の見解をブログという形でまとめることで、自分の理解度を高めることに繋がったし、研究発表において重要な、他の人に情報を伝える能力を育むことができました。(文才も少しは磨くことができたかなと思います。)頻度でいえば、まちかどサイエンスも合わせて、2から3週間に1回分を執筆しており、これが僕の日々の日課になり毎回楽しく書かせていただきました。ところどころ拙いブログではあったかと思いますが、僕のブログを読んで新たな気づきを得たという方がいっらしゃいましたら、これ以上光栄なことはありません。今回はいつも以上に長文となりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。
改めて科学者の卵事務局の皆様、講師の先生方、メンターの皆様、意見交換をしてくださった受講生の皆様、長い間大変お世話になりました。科学者の卵が今後も長きに渡り続いていくことをお祈りしていますし、僕自身科学者の卵を盛り上げることができるような人物になっていきます。そして、応援してくださった先生方や家族のみんな、今までありがとうございました。
また、いつかの機会にお会いできることを楽しみにしております。それではまた会う日まで。
投稿者 : 秋田県立大館鳳鳴高等学校