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活動ブログ

2023. 03. 05 | まちかどサイエンス

守れ!二ホンザリガニ③ 野生個体発見、自然繁殖の拡大へ!

こんにちは!秋田県立大館鳳鳴高等学校1年飯塚凜人です。僕は高校の生物部の一員として、地元に根差した絶滅危惧種のニホンザリガニの保全に努めてきました。去年の秋保全に関する調査に大きな進展がありましたので、ご紹介させていただきます!投稿が遅くなり申し訳ありません(-_-)以下はニホンザリガニに関連するブログなので、併せてお読みいただければありがたいです。

 

関連ブログ

 

守れ!二ホンザリガニ① 絶滅危惧種がいる生物室

ニホンザリガニにはどのような特徴があるのか。他のザリガニとは何が違うのか。二ホンザリガニの秘密に迫っています!

守れ!ニホンザリガニ② アメリカザリガニとの関係

ニホンザリガニが絶滅危惧種になった原因とは。二ホンザリガニはどのようにしたら保全できるのか。みんなで二ホンザリガニを守りましょう!

 

 

 

野生個体発見!

2022年9月某日、生物部で生息地調査を実施したところ、偶然にも野生のニホンザリガニを発見することができました。調査した地点では2年ほど野生の個体が確認されていなかったので、今回の野生個体の発見が現時点でのニホンザリガニの生息地マップを作成するうえで、重要な一歩となりました。

 

生息地マップを作成する意義

生息地が特定されることで、特に慎重な保全が必要な地域が明確になります。つまり、ニホンザリガニが生息する地域における不用意な自然破壊がなくなるということです。

 

 

発見された場所と個体の特徴

個体が発見された地点は、水路の幅は狭いものの水の流れはあり、水場の周辺には背の高い植物に覆われていました。発見した7個体で性別を確認できたものは、全てオスでした。なお、成体(最大55mm)の他にも、稚エビ(13mm)の個体も見つかっていて、野生の個体が発見されなかった2年の間に、自然繁殖が起きていたと考えられます!人が見ていない間にも、頑張って数を増やしていたなんて感慨深い!今回の調査ではメスは見つかりませんでしたが、自然繁殖が為されていたと考えると、この場所にメスも生息していることが裏付けられます。

左が生体、右が稚エビです。稚エビは、高校生男子の手指の第一関節から第二関節くらいの大きさしかありませんでした。小さい!
このくらいの大きさの稚エビは、生後1年も経っていないと推測されます。

 

問題!野生の二ホンザリガニはどこでしょう。

IMG_208818368 (1) (1)

答えと、動いているザリガニの様子はこの動画で確認いただけます。10秒ほどの動画です。

 

この水場は、ニホンザリガニの第一人工生息地の近くにありました。さらに現在、周辺に第二人工生息地が新たに建設されます。今後はこれらの人工生息地の維持管理にも関わっていきたいです。

 

 

ニホンザリガニ保全のために何ができるの?

第2回でもご紹介した通り、ニホンザリガニはアメリカザリガニなど外来種のザリガニがもつザリガニペストという菌に弱く、感染したら死亡してしまします。そのため、現在二ホンザリガニが生息しているとされる北海道、青森県、岩手県、秋田県に在住の方は、アメリカザリガニの生息地に足を運んだ際に身に付けていた装身具などを、ニホンザリガニの生息の可能性のある場所へ行く際に身に付けていかないようにしてください。また、むやみに外来生物を野生に放たない、プラスチックなどを投棄したり、植物をむしったりするなどし環境を破壊しないなどといった基本的なことも、日々徹底して守るようにしましょう。二ホンザリガニ以外の多くの生物も、日々の僅かな心掛けで救われます。

また、僕たち生物部は「ザリガニつり」を地域の方々と行っています。環境を破壊するアメリカザリガニを釣って捕獲しながら、生物多様性と保護の重要さを学んでいただく企画です。捕獲したアメリカザリガニの一部は、参加者の方々に任意で飼育していただいています。その際は、アメリカザリガニを死ぬまで大切に飼ってもらうということを約束しています。僕たち高校生も積極的に行動を起こし、さらに教育を循環させていきたいものです!

 

捕獲されたアメリカザリガニ

 

 

個体を発見せず、生息地を特定

ニホンザリガニの生息場所は山地の冷たい湧水が流れる小河川や沢などで、普段は泥の中や倒木の下に隠れていて発見が困難です。そこで生物部では近年、水棲生物の分布を推定するための有効な手段として開発されている環境DNA調査を利用しています。環境DNA は、土壌や水に含まれるDNAの総称で、動物では排泄物や粘液、配偶子、剥がれ落ちた皮膚や体毛、そして死体などから放出されたDNAが環境中に蓄積されたものです。この環境DNA を分析することで、種の存在の確認や、生物量を推定して生態学的な調査に利用できます。環境DNAを用いると、個体の発見が不要なので、生息地候補の箇所を破壊せずに生息地調査を行うことができます。まさにSDGs!!

 

環境DNA調査のしくみ http://www.ctiers.co.jp/business/dna/index.htmlより引用

 

 

終わりに

科学者の卵での活動を通して、身の回りの科学についてブログで紹介する機会を頂くことができ、本当にありがたく感じています。今までのブログで、二ホンザリガニや長走風穴など、地元大館市に根差した科学について皆さんに興味を持っていただけたのなら、これ以上光栄なことはありません。僕自身、今後もアンテナを張り、身の回りの面白い科学現象を発見していくことに勤しんでいきます。そして、いつかまた皆さんに情報を共有できる日を楽しみにさせていただきます。これまでブログを読んでくださった皆さん、ありがとうございました。また、会う日まで(^▽^)/

守れ!!!!!!ニホンザリガニ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者 : 秋田県立大館鳳鳴高等学校


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